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 ドクタースウィッチの職人技    2021年3月7日(日) [お店のこと]

 先日陸前高田に行ってみようかなというYさんから、今日お電話がありました。

 「行ってきました!とてもよかった。奇跡の一本松も見て来たし。本当に行ってよかった。それを伝えたくて、もう神奈川に帰ってきたんだけど電話しました!」

 私も本当に嬉しくて、ブログはけっこう時間がかかるけど、やはり頑張ろうかなと。

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   防潮堤から伝承館をのぞむ


 さて、鉄が熱いうちに?、昨日のレコードのはなしの続きです。


 線さえつなげばお店でもレコードが聴けるというのを聞いて、やるっきゃない!
 1月は雪と寒さで動けず、2月になってやっとスピーカーケーブルを買いに行った。その前にアンプとスピーカーの距離を何度も測って。

 左右のスピーカー合わせて17メートルほど必要だが、1000円もしない。
 接続部分に貼る絶縁テープ40円、やすっ。でも、他に使い道ないだろうな。

 さあ、問題はケーブルの端の皮をむいて中の金属線(何て言うんだ?)を出すのだが、ハサミで切り込みを入れても上手くむけず、使い古したほうきみたいに逆なで、けば立ってひどい。あまりの不器用さにやる気をなくす。


 そこでまた、米澤さんが突然の来店(=゚ω゚)ノ。電話でケーブルの買い方を相談していたので、できたのかなと見に来てくれたのか。「あのーここで止まって…」と、逆なでの姿を見せると、きっと笑いを吹き出しそうなのを抑えて「カッターはありますか?」

 カッターで手際よく切り込みを入れてむいた金属線の、まあ美しいこと!馬のしっぽ?毛並み?のように整っている。これがプロと素人の差。そして、約10mの距離をケーブルを這わせて、接続してみた。

 おお、ちゃんとお店のスピーカーからレコードの音が出る!やったー♪


 ところがひとつ問題があった。アンプの音量でやると、カフェは音が小さすぎて、お店は大きすぎるというアンバランスが生じた。カフェはジャズ喫茶ではないけれど、いつも大き目の音量にして、気にならないBGM以上に音楽を重視している。うるさいと思う客もいたかも(^_^;)。

 前のように音を出すと、お店はとんでもない音量のジャズ喫茶風自然食品店になる。
 ま、それでもよければいいんだけどね(笑)ズンズン、ジャカジャカ♪

 
 うーむ、そこは何とか上手く調整してやるしかないかな。米澤さん、帰り間際に「音量のこと、何とかできないか、考えてみますね」

 何とかできるものかなあ?ま、とにかく、お店でジャズやカーペンターズやサイモン&ガーファンクル、たまにユーミンとか陽水が聴けるなんて。よかったよかった。


 翌週、また米澤さんが来てくれた!「音量調節するのを作ってきました」と。

 「えええー!?」

 と呆気にとられている間に、何やら作業に入っている。

 「この音でどうですか」と言われて、私がお店とカフェを行ったり来たりして「もうちょっと高く」とか調整してもらい、お店もカフェもバッチリの音量である。


 「すごい!どうしてできたんですか?」

 「うちにあるものでできないかと作ってみたんです」というのが、これ。

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 このつまみで微調整するようだが、何が何だか構造はわからない。それにしても、すごい!それもあるもので作るなんて。職人技に感嘆。

 で、「あのー、おいくらですか?」

 「いえ、いらないです。ある材料で作ったので、部品代はゼロですから。ええーと、では、その分コーヒーをご馳走になります(*^-^*)」

  え、コーヒーでいいんですか?あ、お菓子つけます!(笑)


 昔、岩手の人の優しさに魅了されて、都会の看護師職を辞めて、岩手の看護学校に入り直したお客さんがいた。

 それにしても、ここまでいい人って、、、。

 米澤さんが貴重なお休みに何度も花巻に来てくれて、損得抜きでレコードがちゃんと聴けるように最後までサポートしてくれたことに、もう感謝してもしきれない。


 一緒にコーヒーを飲みながら、ジャズとかに詳しいなと思っていると、若い頃10年ほどジャズ喫茶で働いていたという。趣味はサックスで、コロナ前は毎月仲間とライブハウスで演奏していたと。


 冬はうつ気味になりがちな私は、つい「仕事は楽しいですか?」とヘンな質問をした。

 米澤さん、いやな顔をせず、「楽しいですよ」と即答。「家電製品を直すと喜ばれるんですよ。後でお菓子とかもらったりします」と笑う。


 いつのまにか使い捨てが当たり前だった時代から、これからは直せるものは直して長く使う、使い切るような暮らしをしましょう。

 家電製品やストーブの芯の取り換えなど、壊れたものの修理は、ぜひ一度ドクタースウィッチに持って行ってみてね。こういうお店は、地域にとっても大事なお店なのだから。

 

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