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 おいものせなかだより2・3・4月  2024年2月16日(金) [おいものせなか通信]

 おいものせなかだよりがやっとできました!(;^ω^)

 今から2・3月号だと、またすぐ次号が来るので、4月までの3ヶ月分です。(笑)
 だから、春のイベントが満載で、また字だらけ通信です、相変わらず(^-^;。

 タイムリーでこまめな情報は、ブログに載せていきます。インスタにも。
 営業日や休みが急に変更になる場合もありますので、ブログでお知らせします。

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 ウラコラム

 山からクマの風がビューンと吹いてきたよ   
                      2024.2.16

 昨秋は、クマが町に下りてきて、餌を求めて牛舎に入ったり、スーパーに出たりの騒ぎが各地であった。警察や猟友会が連日出動して捕獲し、その後クマは殺されたのか、山に返されたのか、ニュースになる度に気になっていた。

 1月末、秋田から来てくれたお客さまが熊のチラシを持ってきた。署名運動もしていますと。熊をイノシシやシカと同様の指定管理鳥獣に追加するよう環境省が検討を進めていて、それが決まると絶滅の危機になるのだと。え?11月においものせなかまつりで岩手県知事が来てくれて、熊が町に出ているのは、奥山のメガソーラー開発等の森林伐採も原因ではないかという質問に知事の明快な答えはなかったけれど、翌月曜日に環境大臣に熊対策を北海道、新潟の知事と要請したとの報道に、知事ちゃんと頑張っているんだ。「いや、それは…指定管理鳥獣に追加するよう要請しているんですよ」と、秋田の井阪さん。

 
 指定管理鳥獣とは、全国で人や農作物などへの被害が深刻で積極的に個数を減らす必要があるとして環境大臣が定めた鳥獣のことで、現在二ホンジカとイノシシが指定され、それぞれの個体数を10年で半減させるという目標の達成のための捕獲事業に国の交付金が交付されている。熊が指定管理鳥獣になると、熊の駆除にお金が出たり、禁止されていた奥山に入ってのくくり罠や箱罠による捕獲ができる事業が計画されてしまう可能性がある。くくり罠は残酷で、動物が足にひっかかると外そうともがく動物は足が切断される。中には足が1本しかないシカもいるという。


 秋田県では昨年1年間で、熊の生息数4400頭のうち半数の2200頭が殺処分された。熊は冬ごもりの前に脂肪を蓄えたいのに、増えたイノシシにドングリなどを食われてしまい、餌を求めて里に下りてきて逃げ遅れて捕まる。秋田では捕獲された親子熊を助けようと、日本熊森協会の新潟県支部長が夜中車を走らせて駆けつけ、殺処分なら引き取ると交渉したが、結局親子熊は殺された。秋田県の非捕殺は0。

 「秋田県に比べて岩手県は捕殺は少なく、放獣(山に返す)が多い、優しいんですよ。賢治精神でしょうか」と、日本熊森協会は言うが、調べたら昨年12月末時点で捕殺数789頭で非捕殺は26頭。え、これだけ?岩手県庁自然保護課にこのことを尋ねた。

 担当者は、「餌を求めて農作物の被害があれば放獣しても必ずまた戻ってきますから、やむをえず殺処分します。山に返すのは、町で迷子になってしまっただけの被害を出す怖れがない熊だけです。今シーズン熊で2名の死者が出ていることを重く見て、人命尊重を考えての対応です。なお、ツキノワグマが絶滅しないように捕殺数の上限は決めています」


 今年はブナの実が大凶作、針葉樹が多いのも問題では?という問いには、「広葉樹を植林するようにしています」との回答。(しかし、杉などの針葉樹は成長が早く、すぐにお金になるから、林野庁は広葉樹を植林する気はないとか!?)「指定管理鳥獣になると国から交付金が出ることで、熊を殺してビジネスにする会社があると聞いたが」の質問には、「岩手県では指定管理鳥獣の捕獲ができる認定を受けているのは2団体です。うち一つは猟友会で、もうひとつはハンターの人数が少ないので、ビジネス目的での捕獲はありえません」

 県は熊が絶滅しないようにしながらも、農作物被害や人命を最優先に駆除するという方針だ。熊は動物の生態系のピラミッドの頂点に位置し、シカやイノシシと比べ個体数が多くないし?殖力も弱いので、指定管理鳥獣となって今まで以上の殺処分をしていけば、絶滅してしまう。


 日本熊森協会ができたきっかけは、31年前に中学生が(痩せた)熊捕殺の新聞記事を学校に持ってきて先生に見せたことである。そこから熊を守る団体を当時先生だった森山まり子さんがつくり、生徒も次々活動を始めたという感動的な物語が、冊子「クマともりとひとと」(100円)に。熊を守ることは森を守り、人の暮らしを守ることにつながると、奥山自然林の保全・再生活動を行う。


 自然保護団体は会員数が増えれば、国の政策への声が大きくなるので、会員数を増やしたい、岩手県支部もつくりたいと、2月3日に兵庫県から日帰りで花巻に来て会員や猟友会の話を聞きに来た森山さんと当時生徒だった現会長。2月5日には東京に行き、北海道、東北の支部長など5名で環境省に14749名の署名を持って熊を指定管理にしないよう要望に行った。

 しかし2月8日、環境省の検討会議で熊の指定管理鳥獣が決まった。やっぱり…。その夜の県内ニュースのトップは指定管理鳥獣で、盛岡市猟友会の事務局長が、「お金がもらえるから、報奨金が出るから熊を殺すという人がいるといやだ。熊が住めるよう山の木を伐採しないで広葉樹の植林を進める対策をとってほしい」と語った。現場を知る猟友会の言葉に少しだけ安堵した。

 
 あらためて、熊の指定管理鳥獣をどう受け止めているのかを花巻市猟友会会長の藤沼さんに聞いた。「人身被害を与える熊は殺さなければ駄目だが、農作物被害で駆除するのには私は反対。山に放して、二度と下りてこないような対策をすることはできる。奥山の耕作放棄地に広葉樹を植林するとか、電気柵を設けるとか。指定管理鳥獣の交付金は、熊の生育調査や被害防除に使うべき。熊の保護は子どもたちのために、大人の義務としてね」花巻市猟友会は、熊のリーフレットを作り、小学1年生の入学時に熊除け防犯ブザーと共に配布しているのだ。


 秋田のクマ旋風からずっと頭はクマ。目の下もクマ[あせあせ(飛び散る汗)]ふと宮沢賢治の「なめとこ山の熊」を思い出した。約30年前に宮沢賢治一人語りでイーハトーブ賞受賞者の林洋子さんの公演を鉛温泉藤三旅館の広間で行った。「なめとこ山の熊」を作品の舞台の鉛の湯でやりたいと、洋子さんの提案か、こちらからだったか忘れたが、おいもは仲間と共に主催した。この作品は、熊の言葉がわかる猟師小十郎と熊の物語。林洋子さんの薩摩琵琶の重厚な音色と国内外公演1000回以上の熟練の語りによる、猟師と熊の情景が鉛の空に浮かんだ不思議な夜であった。


 報道で熊は怖い、害獣というイメージを持たされるが、熊は臆病で怖がりの動物だという。日本熊森協会は保護した熊を3頭飼っていて、「クマはすごく優しくて、人より優れているくらい」と森山さん。これは針葉樹を増やした効率優先の植林政策にも問題があるのではないか。「熊が山に住めなくなったのは人災」と藤沼さんは言う。「奥山はハゲ山になってるよ」と猟師も嘆く。

 「人とクマの住み分けができて、豊かな水源を守り多種多様ないのちを育む森づくりをしていく」と、秋田に移住した萱葺き職人の井阪さんは熊森の秋田県支部をつくった。熊は命をかけて、人間優先社会に警鐘を鳴らしてくれているのだ。

 うちはずっと鉛温泉の奥の山の湧き水を家とカフェに使っているので、水が枯れると本当にクマっちゃう(*´з`)。


 ※日本熊森協会は会員の会費と寄付で活動しています。1000円から応援会員になれます。






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