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  伊藤清彦さんの講演         2016年3月28日(月)  [おいものエコ・ブランチ]

  昨日はおいもカフェで伊藤清彦さんの講演「いま、出版危機?民主主義の危機?」でした。
  いつもイベント直前までハラハラの私ですが、今回は参加者は神戸、札幌からの賢治学会の
  理事の方、このために川崎市から来てくれた友人をはじめ、関心が高い方たちが22名も!
  当日の岩手日報朝刊に伊藤さんのコラムが大きく出たのもすごいタイミングでした。

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  「今日はこの半年で7回目の講演です。いつもは学校や図書館など教育関係が多いので、
  話すテーマも絞られていて話しやすいのですが、実は何を話したらいいのか、戸惑っています。」

  と苦笑しながら、始まりました。本当にうちのように、一般対象の講演はほとんどないようです。
  が、話しはじめたら、どんな場でも話の引き出しがたくさんある伊藤さんはさすが、流暢です。

  伊藤さんは、東京の書店員時代も手腕を発揮されていたようですが、特に盛岡さわや書店の
  店長をまかされてからは、地方の小さな赤字(1億5千万円!)書店をその手腕で売り上げ倍増、
  3年で赤字を消したことや眠っていた良書をベストセラーにしたことで、伊藤さんもさわや書店も
  全国に名を知られるようになりました。

  書店の話から、現在副館長の一関図書館などの図書館について話がおよび、一関図書館が
  リニューアルする前に、県内の主な図書館を回ったが、「ひどい、選書がデタラメ」とバッサリ。
  本を知らないとそうなりがちだが、ただ司書は女性が多いので、仕事・育児・家事とまだ女性に
  負担が多い社会で、本を読む時間がないのも一因だという気づかいも見せていました。
 
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  おすすめの本も持参して紹介。太平洋戦争で230万人の日本人戦死者の半分は飢え死に
  (ほぼ骨と皮)だったという「餓死した英霊たち」。その反対に、米国は戦地でも十分な食料を
  供給していたという「戦場のコックたち」。そして、看護師が戦時にワープする「晴れたらいいね」。

  特にお勧めは「リンさんの小さな子」。でも、注意がひとつ。泣いてしまうから人前で読まないこと。
  どれも、戦争の悲惨さを伝えている本で、当時は戦争体験者が書いたいい本がたくさんあった
  そうです。何を話そうかと言いつつ、ちゃんと私の戦争資料展の希望もしっかり入れてくれました。
  
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  10代で年間300冊!読んでいた、蔵書は2万冊!という伊藤さんは、ホントに本のプロです。
  読んでベストセラーになると直感した本、200万部はいくという数字もほぼ当てたというすごさ。
  著名な作家よりも、原石を磨けば光る新人発掘でオリジナルのベストセラーを生んできました。

  あの乙武くんの「五体不満足」も最初に読んで感動した時、彼は早稲田の4年生でメディアに。
  露出していない。期末試験の後、おそらくテレビに出てくるだろう。それも2月6日の「サンデー
  モーニング」に。その直後にブレイクするから、急いで何百冊も本を問屋からかき集めて売るぞ、
  と予測していたら、まったくその通りになったというエピソードも!(@_@)
  
  面白く興味深い話の数々で、2時間があっという間で、皆さん「よかった!」といい会でした。
  講演終了後のランチは全部で8名で地鶏のネパール・チキンカレーを食べつつ、交流会です。
           
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  ここでも話が弾んで、なんと午後4時頃までカフェにいました。参加した方は、一関図書館に
  行きたいと口をそろえて言っていました。今、18歳選挙権についての企画展を行っています。
  投票箱も選管から借りて、実際に展示しているとか。10代の投票所への恐れをなくそうという
  配慮もすごい。当初、学習だけにしか利用されなかった図書館も、だんだん本を借りて読んで
  くれるようになったのがうれしいと伊藤さん。

  「政権が暴走して戦争への道に向かうのは、国民の無関心がそうさせるのです」と、現政権への
  危機感もあらわにし、自分たちの子どもの時代は徴兵制になるかもしれないと懸念していました。


  また、いつかぜひおよびしたい。伊藤さんは本屋、業界の裏話もいいよと言ってくれましたが、
  参加者みなさんマジメだったので、聞きそびれました( ..)。次回また、よろしくお願いします!
  
  いつもエコ・ブランチの参加費の一部をネパールの孤児院の寄付にあててましたが、今回伊藤さん
  のご厚意で、ネパール大地震復興支援への寄付にあてて頂くことができて、感謝いっぱいです。
  
  伊藤さんの著書、「盛岡さわや書店奮戦記」もぜひ。本への情熱と努力、手腕に感嘆します。
  本当に実りある楽しい一日でした。伊藤清彦さん、参加者の皆さん有難うございました。
   
  
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