今年3月、テレビのアナログ放送が終了するまで(被災地は地デジ化が延びた)、台所と居間で、
うちは2台のテレビがあった。今考えると贅沢だった。

 まだテレビが見れるのに、なんで替えるの?うちはアナログでいいと文句言いつつ、この機会に、
「テレビのない生活もいいかも。特に子どもたちは」と、そのままにしていたら、案の定ザ~~~。

  それから2日目の夕飯時、「今晩のサッカーの試合見れなくて、お父さん残念だねー」と言ったら、
夫が「へへー」とおもむろに地デジチューナ-を出して、接続した。「テレビが見れた!」「どうしたの?」

 「所得が低い世帯には、市がチューナ-を無料で貸してくれて、更に低所得世帯は、もらえるんだ」
「はあ…、うちはその対象なわけね」「結局、一番テレビが見たかったのは、お父さんじゃん」と娘たち。

 しかし、見れるのは一台だけ。台所で炊事・洗濯・掃除で動いている私は、となりの居間(行き来可)
のソファでずっぽり座ってテレビを見て、家の手伝いをしない家族にたびたび腹が立っていた。

 遂にオリンピックが始まって、「私もテレビが見たい。①テレビの位置を変えるか、②もう一台買うか、
③居間との間の壁をとるか」と選択を迫った結果、①、②は無理と言われ、夫がのこぎり持ってきた。

             

 少し壊したら、やはり筋交い(支えの柱)があるしコンセントもあり、全部はやめた方がいいという。
ほんとは見通しがいいワンルームにしたかったが、「テレビが見れればいいんだろ」と、小さな穴だけ。

 切りっぱなしの穴のまわりを廃材や紙ねんどで補修して出来上がり。
 
             

 小さい穴だが、気分がちがう。ニュースもオリンピックも、台所仕事しながら、食事しながら見れた。

 ただひとつ難点は、ここに大きな鏡があって、化粧スペースになっていたのが、あ、鏡がない・・・。
 そのせいかどうかは知らないが、化粧のノリが悪くて、「お母さん、首から上がやけに白いよー」と。

 私の顔の壁ぬりはさておき、穴のまわりの汚い壁は後にして、とりあえず、余ったペンキでダーーー。

              
 「お母さん、何あの塗り方はー!」「あのいいかげんさ、やっぱり変わってる」と、娘と夫があきれてた。

 今のテレビが時々音が出なくなるからいつまでもつか。もし薄型にしたら、また穴のサイズが…。