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おいもだより5&6月    2020年5月13日(水) [おいものせなか通信]

 おいものせなかだよりができました!半月近く遅れてしまいました。

 裏のコラムは、5月のフェアトレード月間にちなみ、展示会とフェアトレード・ファッションのこと、コロナで苦しい状況にいる生産者の今を伝えます。

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ウラコラム

   途上国の生産者に支援を

                  2020.5.13

 今年は新型コロナウイルスで世界中が苦しい状況です。私たちでさえ厳しい状況なのに、途上国で貧困の中にいる人たちは?フェアトレードの生産者は?と気にしていたところ、フェアトレード団体が現地の情報を伝えてくれました。生産者の今の情報はおいものブログから見てください。


 フェアトレード団体の5月のフェアトレードデーのイベントは中止、直営店も休業で、フェアトレード商品も停滞し、現場の生産者も厳しい状況にあるということです。
 うちで春夏服の展示会も、岩手は感染者もなく、おいもはいつもすいてる空間なので、少しでもフェアトレードの服を売ろうと例年通り行いました。お客さまからは「勇気を持って、こういう楽しいことをやってくれてうれしいです」と。フェアトレード団体からも感謝されました。


 フェアトレードの服がとても意味があることについては、改めて熱く書きたいところですが、2017年に行った「ザ・トュルーコスト~真実の代償」の映画上映と講演会の後に書いた「フェアトレードファッションってなに?」を、ぜひご覧ください。(2017年5月のおいものせなかだよりウラ)


 「ザ・トュルーコスト」は、バングラデシュの縫製工場で2015年4月26日に起きたビル崩落事故で数千人の犠牲を出し、その事故を元にファストファッション(低賃金・長時間労働で大量生産・大量廃棄の服)の裏側を描いた映画です。

 私たちのお買い物の裏には人権侵害や健康被害、環境破壊もあります。観た人はショックを受け、あらためて自分たちが選ぶ服や食べ物が世界につながると痛感したという声が寄せられました。


 途上国では4,000万人もの縫製従事者はただでさえ最低限の賃金で日々の暮らしにも事欠くのに、さらにこの事態による影響を受けています。

 フェアトレード団体も、今自分たちにできることとして、仕事ができず収入が途絶えている生産者の支援を始めています。そのひとつが、ピープルツリー&グローバルヴィレッジのクラウドファンディングです。途上国の生産者は苦しい中でも職人や地域の住民にできる限りの生活支援などを行っていますが、それもいつまで続けられるかと不安を募らせています。

 
 どうぞ皆さまのご協力をお願いいたします。おいものせなかも、ネパリ・バザーロのサポート会員の支援は続けて、ピープルツリーのクラウドファンディングには今回展示会の売上げから支援をするつもりです。
 
 クラウドファンディングの詳細はこちらから。http://magazine.peopletree.co.jp/archives/8935 5月1日から5月31日まで受け付けています。


 フェアトレード団体ネパリ・バザーロからの報告とピープルツリーの生産者のメッセージを紹介します。 

 ※フェアトレードとは、途上国の貧困で苦しむ人々の生活の自立を支援する目的で、彼らの環境に配慮した手工芸品や食品を適正価格で買取・販売する公正貿易。「お買物で交際協力」とも言われます。

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 ネパール全土では3月24日からロックダウンが続いており、5月18日までの予定です(5/9現在)。棒を持った警官が厳しく取り締まっています。国際線・国内線の運航停止は5月末まで続きます。2015年4月25日に発生したネパール大地震から丸5年、未だ復興途上のネパールに、このような困難が降りかかるとは…。

 
 町では、人々が身を寄せ合って、支え合って暮らしています。地震で家が壊れたものの、建て直すお金がなく、応急処置のまま暮らしている方も多くいます。奥地の村々では、未だ避難キャンプで暮らす方々、壊れた家で凌いでいる方も…。中には、政府からの支援金で家を建てられた方もいらっしゃいます。しかし、自分の土地でなければ支援対象にはならないため、地震前から住む家がなく、行きついた地で生活していた方々には支援金が届きません。そのため、壊れたままの家をトタンの屋根で覆って暮らされているのです。衛生的な水も手に入りません。

 自然災害も、感染症ウィルスも、公平ではありません。元々あった社会の不平等を、さらに拡大しています。


 社会保障のないネパールで、皆、これまでどれほどの困難を乗り越えてきたのだろうと思いました。10年に亘る内戦、武力衝突や治安悪化による外出禁止、頻発するバンダ(ストライキ)、長時間の停電、ガソリン不足、物資の不足と高騰、大地震や洪水などの自然災害・・・希望が見えない中、さらに今までにない長期の外出禁止です。

 今は感染が広がらないように、経済的にも精神的にも、命が守られるようにと祈るしかありません。生産者の方々にとって、仕事が再開されることが希望となっています。(ネパリ・バザーロ代表 高橋百合香)

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 タラ・プロジェクト(インド)も4週間以上にわたり休業状態が続いています。短時間で生活必需品を買いに行く以外は誰も外出を許されていないので、すべてのスタッフと職人たちは家にこもっています。農業や漁業など限られた産業は稼働することを許されていますが、働く場所を失った日雇いの労働者や工場で働く人たちに対する打撃は計り知れません。その影響はもちろんタラ・プロジェクトの職人たちにも及んでいます。


 職人たちは工房の設備を使ってアクセサリーを製作しています。在宅で仕事をすることは難しく、輸送手段も断たれているため、全く生産ができない状態です。政府の支援や社会保障もないので、私たちのような小さな事業者が生き残っていくための資金繰りはますます厳しくなりそうです。

 周辺の小さな工房はすでに多くが廃業し、このままでは近い将来ほとんどが消えてしまうでしょう。私たちだけでなくアメリカやヨーロッパの依然厳しい状況により、海外からの受注が減ってしまうことも懸念しています。


 こんな状況ですが、タラ・プロジェクトではスタッフやすべての職人たちと定期的に連絡を取り合い、コミュニティで活動するグループを通じて、支援を必要としている人びとに炊き出しや食料品を配る活動を続けています。また、家を失い自治体が用意したシェルターに避難している人たちへマスクを配りました。

 こんな時だからこそ、人のためにできることをしています。しかし残念ながら、限られた資金の中では全ての人を助けることはできません。


 早く状況がよくなって、職人の手による製品がたくさん売れるようになることを願っています。みなさま、支援と連帯をありがとうございます。(タラ・プロジェクト代表 ムーン・シャルマ)




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