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 学びの杜をつくろう!   2024年9月13日(金) [夢の新花巻図書館を目指して]

 明日の営業は午後4時閉店です。よろしくお願いいたします。

 今日、岩手日報の新聞折り込みで入れたチラシを掲載します。

 新花巻図書館の立地問題がヤマ場?を迎えています。昨年秋から始めた「図書館は病院跡地に」の署名運動も1万人を目指して10月まで続けます。この運動の中で気づいたのは、図書館を利用しない、興味ない人が意外と多かったこと。

 私たちは図書館は人づくり、まちづくり、花巻を活性化する中心の施設になると思い、関心のない人、若い人たちにも響くように、チラシを作りました。署名も1万人目指して10月まで続けます。毎月第3日曜日はイトーヨーカドーで署名活動をやらせてもらっています。市外の方もOKです、ご協力をお願いします。


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 花巻学びの杜 ホームページ https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba


 おいものせなかだより9・10月 ウラコラム

 図書館は隠れ家的ワンダーランド
                         2024.9.12


 TVのドキュメント72時間で金沢市の石川県立図書館を見た。おしゃべりOK、劇場のような広く開放的な空間は素晴らしく、本のわかりやすいテーマ別配置もいい。椅子やソファが館内500席もあり、「こんな贅沢な空間が無料なんて凄いね」と、パソコン仕事に来た男性。77歳の男性は長年料理人で今は老人ホームで働き、季節の割烹料理を勉強していた。男性が一人ソファに座って窓の外を見ていた。能登半島地震の被災者で、家も稼業も失い、「40代になって自分探しするなんて」「次の仕事が決まるまで…今ちょっとだけここにいさせてください」とつぶやいた。


 佐賀県に、武雄市図書館と20㎞離れて伊万里市民図書館がある。どちらも全国から注目される図書館だが、対照的だ。両市の人口は約5万人。武雄市長の「なんもない武雄」のまちの市立図書館に蔦屋書店を入れる改革に、様々な批判浴びながら断行したら、来館者数は以前の3倍強、年間来館者は100万人、市外からついでの日帰り・宿泊の武雄温泉利用の来館者も増え、経済効果が20億円。更に数年で閑古鳥にならないよう、著名人の講演会やフリマ&マルシェ、朝ヨガなど積極的にイベントも行い、土日は図書館の駐車場が満車になるほど。図書館業界で賛否両論だったが、全国から視察が絶えない。図書館に行かなかった人も週末は館内のスターバックスに行列し、図書館がまちの賑わいをつくった。

 伊万里市民図書館は市民ボランティアが300人以上と市民に愛され支えられている図書館。毎年図書館の誕生日には「図書館フレンズいまり」がぜんざいを300食作ってお祝いし、開館時の感動と図書館の役割をぜんざいと共に噛みしめる。ここは図書館活動の評価が高い。図書館の目的を「生涯学習の拠点」と定めて、利用者の満足度を高めるのはもちろん、図書館を教育や学習のための施設と位置付け、その充実を図る。


 伊万里市のほか、全国で評価されるいい図書館で、紫波町図書館、小布施町立図書館、恵庭市立図書館に共通しているのは、図書館建設段階から市民・町民が計画に関わり、何十・何百回と行政と意見交換を行い、市民の声を丁寧に聞いた「市民が主役」の図書館だ。大船渡市立図書館は当初市民文化会館をつくる設計だったが、図書館を望む市民の声を受け、「本来の発注者は市民であり、その声を反映することが大切である」と設計変更した。これらの図書館は市民が積極的に企画し支えている。新花巻図書館もそんな図書館になりたいと願う。


 私はいつも図書館の本を山ほど借りる。「岩手で産む」を作る時はお産の本の山、選挙の時は政治の山、旅の前はガイドブック(笑)。図書館は、「知の宝庫、宝の山」。自分が知らない、未知の世界に連れていってくれるから、図書館は「本のアミューズメントパーク」と言った人がいるが、私はワンダーランドか。特に目的がなくてもぶらぶらと本の棚を眺めるだけでもいい。ネット検索は特定のものしか出てこないが、図書館は周りにある本も目に入り、予想外の発見がある。調べものには検索機もあるが、図書館員に聞いてみると、自分で調べるよりも早くて豊富。それが図書館の重要な業務のひとつ、レファレンスサービスである。


 私は全国の注目すべき図書館の本を棚で探しても見つからず、図書館員に尋ねたら、すぐ調べて5冊も見つけてくれた。また、世界の知の殿堂と言われるニューヨーク公共図書館について検索したら、本でなくDVDが出てきたので、借りるついでに、「名前がわからないのですが、ホームレスが図書館を占拠してシェルターにした映画が確かあって」と聞いたらパパっと調べて持ってきてくれたのが「図書館の奇跡」。アバウトな問合せにも、的確に素早く対応できる図書館員のレファレンス能力にあらためて感心した。

 
 ニューヨーク公共図書館の80代のボランティアは、「図書館にいるだけで生きる力が湧いてくる」と言った。子育てや仕事を引退して、社会の役に立ちたい、住むまちをよくしたいと思う高齢者は多い。やっと自分のために使える老後の時間を自己学習やボランティア活動に有意義に使い、イキイキしている姿に、若い世代もまたここで暮したいと思うはず。


 図書館はほかの世代と交流する機会を与えてくれる最大の場所でもある。熱心な図書館員は常に情報のアンテナを張り巡らせている。地元の「生き字引」存在の人が貴重な資料を保有していることがわかり、図書館でのイベント企画にもつながったという事例もある。ある高齢の女性が自分の病気を調べたいと言ってきた。高齢者は図書館員に調べてもらうのを望むのだが、彼女は「調べ方を教えてほしい。調べることは自分にとって“世界”を知る作業なのだ」と。図書館は“世界”の入口。それを聞いた子ども担当のスタッフは、「子どもにその本を渡すということは、大きな世界を渡すのと同じ。使命感をもってやらなければ」と、意を強くしたという。

 
 図書館は本の貸し借りだけでなく、暮しの中の課題解決の場。医療・健康・仕事・家庭・起業・相続など様々な問題や悩みを解決するヒントがそこにはある。自分や家族が病気になった時の治療法や闘病記、DVや離婚で悩んだときは、プライバシーが守られるようなレファレンス対応や、障がいや病気を抱えている人たちも誰もが利用しやすくなるといい。静かに私たちの人生を、癒し、豊かに、幸せにする素敵な空間だから。


 「死にたくなったら、図書館においで」と、2015年神奈川県の鎌倉図書館のツイートが話題になった。「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。1日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね」そう、大人の避難所も。しんどくなったら行ってみて、図書館はいつもウエルカム!



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