SSブログ

 おものせなかだより 5・6月号  2022年5月19日(木) [おいものせなか通信]

 かなり発行が遅れました。伝えたい情報が多くて、またも字だらけです(^_^;)。

IMG_7932[1].jpg

 ウラコラムも字だらけ、、今回も力が入っています(^_^;)。


 「戦争をしない国」から「戦争ができる国」へ!?
                             2022.5.18

 ロシアとウクライナの戦争で、自民党政権は平和憲法の改正に邁進している。7月の参院選は大事な選挙。学者・作家・弁護士などが反対する平和憲法の改正について考えさせられる言葉を聞いてほしい。私は莫大な防衛費よりも、被災地や貧困対策など国民の暮らしにあてたい。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 法律は市民が守るべきルールです。しかし、憲法は国家を縛るルールです。社会の秩序がめちゃくちゃにならないように法律が市民を取り締まるのと同じように、国家がおかしなことをしないように一定のルールを課す。それが憲法の役目なのです。憲法九十九条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」

 では、どうして国家を縛るルールが必要なのでしょうか?それは、ときに国家権力が暴走して、私たちの生活を脅かすことがあるからです。(略)税金だって取り放題だし、気に食わない人は逮捕し放題になるかもしれません。それを防ぐために、国家を縛りつけ、国家を律して政治を行うことを、「立憲主義」といいます。

 しかし、2012年に自民党が発表した「日本国憲法改正草案(以下、改憲案)では、日本国憲法の一部を書き換えるというレベルではなく、全体を見直す改憲案になっています。それは、憲法を守る義務は、国家でなく国民になっています。近代国家の基本といえる立憲主義とは正反対の考え方です。立憲主義がないがしろにされれば、国家が国民に保障している自由や権利はさまざまな制約を受けて、生きづらい社会になるでしょう。(憲法九条・略)

 自民党の改憲案が実現すると、日本は「戦争をしない国」から「戦争ができる国」になります。現憲法の「戦争放棄」は日本国憲法の最大の特徴のひとつです。(略)侵略戦争をしないといっている憲法は、世界に150ほどあります。しかし、正規の軍隊を持たず、交戦権まで放棄している憲法は、日本国憲法以外にありません。単なる平和主義ではなく、どのような場合にも戦争はしないという積極的平和主義が現憲法の特徴です。

 現憲法九条の改憲案では九条2項がまるごと削除され、「戦力の不保持」と「交戦権の否認」が削除されることで、「戦争放棄」を誓った九条1項は骨抜きになり、「戦争ができる国」になります。

 憲法は私たち自身を幸せにする道具です。怖いのは、憲法の本質を理解しないまま、まわりの空気に流されるようにして慌てて判断してしまうこと。改憲議論で国民一人一人がじっくり憲法と向き合い、理解しましょう
                      (伊藤真・弁護士「憲法問題」より)



・日本の年間の軍事予算は、直接軍事費のほか思いやり予算その他の名目を含めると、5兆円超なんです。5兆を超すような軍事費を使う国と、憲法九条は、果たして並存しうるでしょうか?初代防衛庁長官木村篤太郎という人は、初期の国会答弁のやり取りの中で、質問に答える形で言っています。「志願と徴兵とを比べたら徴兵の方が安上がりである」「しかし、徴兵をやるためには憲法を変えなければならない」(澤地久枝・ノンフィクション作家)

※安倍政権で、日本の軍事費は6年で6倍に増大。アメリカから高額兵器を言い値で100基など爆買いに元自衛隊幹部も疑問を呈した。


・ナチスドイツの政権下、ヒットラーを支えたひとりでもあるヘルマン・ゲーリングの言葉を思い出す。国民を戦争に巻き込むのは容易だ、と彼は豪語した。「自分の国が他国から攻撃されていると説明するだけでいい」と、そして戦争に反対するものは、「愛国心が欠如したものだと公に非難すればいい。この方法はどの国でも適用できるものだ」と。(略)わたしの考える、わたしたちの「安全保障」とは、★憲法を守ること。★米軍基地をなくすこと。★原発を廃炉にすること。この三つだ。(落合恵子・作家)


・ノーベル平和賞の候補にもなっているが、日本はこの憲法9条をこそ世界に輸出すべきだろう。9条についてのある母親の話も忘れられない。「言論の自由や男女同権などを規定した憲法は確かにありがたいが、何よりもありがたいのは憲法9条だ。これによって婦人の幸福が完全に保障される。結婚をしても夫を軍隊に徴収されることがなく、子どもを産んでも徴兵されない権利が保障された。言い換えれば、子どもに軍隊に行けとか戦争で死ねというように母親の心を偽る必要がなくなり、安心して夫や子どもに愛情を注ぐことができるようになった」と。(佐高 信・評論家)


・国会で多数派を占める勢力がどれだけ強行採決を濫発して乱暴な内容の法律を作るかは、特定秘密保護法(2013年)、平和安全法制(戦争法)(2015年)、共謀罪法(2017年)で明らかである。自民改憲素案を通せば、大騒動になったこれらの法律と同様か、もっと著しい人権抑圧の法規を、一夜にして、国会の審議抜き、内閣の閣議決定だけでできることになる。これは内閣独裁という他ない。(梓澤和幸・弁護士)


・日本国憲法は普通の国の憲法とは違う。普通の国は不戦だが、日本国憲法は非戦だと言いきっている。(略)人間は普通ではできないけれど、人間には崇高なことに取り組む可能性もあるんだなと。日本国憲法を世界遺産にというのは、最高の表現なんですよ。(中沢新一・宗教人類学者)


・奇跡の憲法で現実的ではない、無茶な憲法だといわれるけれど、あきらめずに無茶に挑戦していく方が面白いじゃんって思う。ある意味、人間の限界を超える挑戦でしょう。絵空事だろうけれど、世界中がこの平和憲法を持てば、一歩進んだ人間になる可能性もある。(太田光・芸人)


・平和主義は、ただの平和愛好でも「護憲」でもない。「戦争に正義はない」とし、問題、紛争の解決を武力を用いず、「非暴力に徹して行おうとする理念と実践が平和主義だ。(略)日本は、「良心的兵役拒否者」ならぬ「良心的軍事拒否国家」という中立国でいくのがよい。(小田実・作家)


・私は戦後一貫して「平和憲法を守れ」という態度をとっています。それは平和憲法、特に九条には人類の未来の理想が含まれているからです。今、環境破壊や核戦争による人類滅亡の危機が叫ばれるとき、やはり、人類は戦争によって運命を決めるという業の愚かさを知り、永久平和の道を真剣に考えるべきだと思います。(略)私は一生、憲法改正の動きに反対を続けていこうと思います。(梅原 猛・哲学者)


 引用文献:日本ペンクラブ「憲法についていま私が考えること」、梅原猛・井上ひさし他「憲法九条、あしたを変える」、太田光・中沢新一「憲法九条を世界遺産に」



nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。