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 安楽死と延命治療      2019年6月3日(月) [お産・医療]

 昨夜NHKスペシャルの安楽死の番組を見て、心がザワザワして動揺していました。

 NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」
 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20190602

 日本では認められていない安楽死をテーマに、このような番組はすごい。そして、よくご本人とそのご家族が取材を受け入れてくれたことも感謝でした。

 
 「私が私らしく生きられなくなったら」「呼吸器や胃ろうでおむつも取り替えてもらうようになったら、生を享受できない」と、自ら意識があるうちに安楽死を選んでスイスに行った女性。

 前に熊本の佐々木ばあちゃんの「私は私を全うする」につながるものを感じました。

 
 私は長年出産環境を自分で選べるようにと願って活動してきました。家で産むか病院で産むか助産所で産むかが選択できる社会であったらと。同様に、自分の死ぬところも多くの人が住み慣れた家で死にたいと思いながら、叶わないことも多い。

 
 安楽死の反対と言えるかどうかはわからないが、延命治療というものがある。

 
 夫が亡くなる数日前に訪問看護師さんから、最期はこういう状態になりますよと説明を受けて、気持ちの覚悟ができていなくて動揺して、「急変したら救急車を呼んだら助かるのですか?」と聞いた。

 「いえ…」との説明で、命はもしかしたら助かるかもしれないけれど、蘇生措置とはチューブにつながれる延命治療なのだとはじめてわかった。じゃあ、救急車を呼びません、本人は望んでいないので…。それからあっという間に逝ってしまったのだが。。。


 自分の問題になるまで、蘇生措置とか延命治療とか安楽死のことをわかっていなかった。


 夫の死後、あれでよかったのかともやもやしてた時、お客さんからご主人を亡くされた時の話を聞いた。

 その方のご主人は闘病しながら延命治療はしないと奥さんに伝えていて、倒れた時が自宅でなく出かけた先だったので、友人が救急車を呼んだ。当然蘇生措置を行って命は助かったが蘇生で内蔵の骨が折れてしまい、何度も手術をして、その後の入院生活は地獄だったと。それでも1年間の入院治療で自分の口で食べれるようになった矢先に亡くなってしまった。だから私は免許証の裏に延命措置はしないと書いてるのと言ってました。


 もし、意識もない寝たきりの延命治療でも、そこに生きている姿があって、世話をできるというだけでも家族にとってはありがたいこともあるし、大変なこともある。それは、患者本人の意思も合わせて、それぞれのケースで何がいいとかは言えない。


 昔であれば寿命が来れば死ぬということも、今はそう簡単にはいかない。ただ、これだけ医療の進歩があり、自分の人生の最後のあり方は自分で選べるような、そんな社会になってほしいと願う。日本はまだ産む、死ぬという場面で個人を尊重していない未成熟の社会体制のような気がする。安楽死を選んだ彼女の生き様が日本の環境を変える一石になってほしい。


 NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」再放送6月4日深夜、5日0時35分~



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